本記事の内容
会社員から個人事業主になるまでの流れがわかる
これから何をすべきかわかる
日本政府が 2016年に「働き方改革」を掲げてから4年が経ちました。
副業を原則禁止していた企業が、続々と解禁を発表するなど、一時世間を賑わせていた時期もありました。
今、企業ではなく個人が働く「場所」と「時間」を選ぶ時代が来ています。
雇用形態も含め、個人の働き方が国全体で見直されてきているのです。
先進国のアメリカでは、既に人口の30%は、個人事業主またはフリーランスとして働いているという労働局の結果も出ています。日本でも1つの会社に依存しない「働き方」が浸透しつつあります。
一方で、一生安泰と思われていた「終身雇用」の時代が終わろうとしていることに、不安や焦りを感じる人もいるでしょう。
AI技術など、急速な進歩を遂げる現在のIoT時代において、個人の給与やスキルを上げるために、独立をするといった選択肢を選ぶ人もこれから増えていくのではないでしょうか。
会社員ではなく、個人事業主として活躍していくことはメリットも多いですが、同時に、これまでとは違った様々な責任や、個人事業主になるための諸手続きや納税管理等が発生します。
また、個人事業主になるための諸手続きや納税管理等、最初は慣れないことも多くあるでしょう。
この記事は、会社員から個人事業主になることを考えている方のお役に少しでも立てばと思い、書かれた記事です。
突然ですが、個人事業主とフリーランスの違いをご存知ですか?
フリーランスとは、特定の企業や団体、組織と雇用関係を結ばずに働く人のことです。
通常、プロジェクト単位で仕事をすることが多く、企業と業務委託契約を結ぶ場合がほとんどです。
それでは個人事業主の場合はどうでしょうか。
実際に2つの働き方に大きな違いはありませんが、法律上では税務署に開業届を提出している方が「個人事業主」という扱いとなります。
ですので、税務署に開業届けを出さずに、業務を行う形態を「フリーランス」と考えておくと良いでしょう。
会社員から個人事業主になるためには、いくつかのステップをクリアしなければなりません。
主な手順は下記の通りです。
【退職前】
①退職プランを立てる
②退職を切り出す
③退職交渉
④退職願・退職届を出す
⑤引継ぎと挨拶
【退職後】
①厚生年金から国民年金への切り替え
②会社の健康保険から国民健康保険への切り替え
③開業届けの提出
④青色申告承認申請
退職前は、事務手続きだけでなく、業務の引き継ぎ等も発生するので、2ヶ月前から動き始めるのがベストでしょう。
退職後は、年金や保険の切り替え、そして税務署に開業届を提出する必要があります。
開業届は、税務署に「開業」を申告することを指し、正式には「個人事業の開業・廃業届出書」といいます。
開業届を出すことによって、青色申告することが可能となります。
開業することのメリットはいくつかありますが、まず帳簿を付けることにより、65万円の控除を受けることが可能になります。つまり、節税効果の高い青色申告を行えるという事です。
他には、事業を手伝ってくれている家族に対して支払う給料を経費にすることができたり、赤字を三年間繰り越すことが可能となるため、大きな節税効果を見込むことができます。
しかし、諸手続きを行う上で、気をつけなければならないことも多く、独立を支援する業者を利用する方も増えています。
会社員から個人事業主になる際、無計画で始めることはできません。
多様化する働き方の選択肢の一つとして個人事業主を選んだ場合、事前にいくつか注意しておかなければいけない点があります。
まず、クレジットカードの作成や住宅ローンを組む場合は、会社員でいる間に行っておくのが良いでしょう。
理由としては、個人事業主や法人経営者になると、最初は特にカードやローンの審査が通りにくくなることが多いからです。
次に、実行可能な「事業計画」を考えておくことが重要です。
不動産業界、人材業界、製造業界、IT業界等様々ありますが、現在の世界市場と国内市場を比較し、競合も調べた上で綿密な計画を立て、事業を継続していくことが大切です。
最初の2期目までは利益が上がらず赤字でも、3期目から徐々に損益分岐点を超え、黒字化していくスタートアップ企業も多くあります。
その際、信頼のおけるコンサルタントや人材採用に長けている企業とパートナーシップを結ぶなど、気をつけるべきことが多くあります。
また、個人事業主になった場合、事務や経理、納税業務等も、外注しない限りすべて自分で行う必要があります。
例として挙げられるのが、下記のような業務です。
【社会保険関連】
①国民健康保険への加入
②国民年金への加入
【提出書関連】
①開業届の届出
②青色申告承認申請書の提出(青色申告の場合)
③源泉所得税の納期の特例承認に関する申請書等
【経理・納税関連】
①領収書登録などの記帳業務
②見積書作成と送付
③請求書作成と送付
④確定申告
上記の業務に加えて、自分や会社をPRするための材料づくりもしていかなければいけません。
具体的には、ホームページ作成など下記に該当するものです。
【事務面】
①個人または法人ホームページの作成
②ドメインの取得
③ロゴ、サービスロゴの作成
④電話番号の取得
⑤名刺、パンフレット等の作成
上記の業務は最低限発生する主な内容です。
以上のように、会社員から個人事業主になるためには、いくつかの段階を踏んでいかなければいけません。
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリーランス白書2018」によると、日本では、1000万人以上、人口の約10人に1人がフリーランスという統計も出ています。
更に近年では、クラウドソーシングサービスの進展により、フリーランス人口が年々増加傾向にあります。
ランサーズに登録するフリーランスワーカーは39万人を超えており、発注クライアント数は9万人以上、仕事発注総額は260億円を超えています。
今後も更なるフリーランス人口の拡大が予想されることでしょう。